
高校の頃から通っている床屋の兄ちゃんが、極度の矢沢ファンで、店内には矢沢の曲が流れ、会話のほとんどは永ちゃんなのだ。それはそれで心地よい時間で、それからちょくちょく曲も聴くようになった。実はそれまでは矢沢永吉は好きではなかったんだが、ある時、永ちゃんのライブビデオを数本(無理やり)貸してくれて、それを全て見終わった時には完全にハマった自分がいた。そのビデオの中の一言。
「リハーサルっていったら、ガンガン歌い込むから(声が)ぶっ壊れるんだよね!ほんでぶっ壊さなきゃダメなの!キレイ事言ってる奴はダメよ(笑)ロックはぶっ壊しよぉ!」
このフレーズが今でも頭の中に残っている。それからライブにも数回行って感じるのは、まさに大人の一般男性が怒鳴るくらいの声量でガンガン2時間半くらい歌い続ける。発声が強い、高音のハードロックではなく、低音というかミドルボイスというか、なんとも腹に響く声である。それを今だに続ける彼は現在68歳。よく懐かしの歌謡曲というような番組で出演する歌手が昔の声量とはかけ離れた声で歌う場面を見ることがあるが、それとは大違い。やはり“キレイ事言わず、ぶっ壊す”までやったかどうかの違いかもしれぬ。
J.MIZUNO